売掛債権を買い取ってもらうことで現金化できるファクタリング。
近年、財政が厳しい中小企業などが資金を調達するために用いる手段として浸透してきています。
違法性のある取り引きではという印象を抱いているかたも少なからずいますが、ファクタリング自体は合法的な手段です。
それ自体には問題はありません。
しかし、一部では違法な取り引きを持ち掛ける会社も存在しています。
安全に利用するためにも、そういったトラブルに巻き込まれないように気をつけなければなりません。
分割での支払いを提案された場合は要注意
ファクタリング会社に支払わなければならない売掛金は、基本的に契約書に明記された期日までに用意しなければならず、延期は原則として不可です。
ですから、使い込むなどして支払いが困難になってしまった場合、もし会社から分割支払いを提案されれば、利用者としてはぜひそうしたいと考えてしまうかもしれません。
しかし、この分割払いは貸金業者しか利用することができない手段で、売掛債権の売買を行うファクタリングの場合は一括払いが基本です。
仮に分割払いを認めたとすると、ファクタリング会社は貸金業者ではないにもかかわらず分割分の金利を受け取ることになり、貸金とみなされて貸金業法に引っかかってしまいます。
提案してくる会社はその点を理解していて違法営業を行っている可能性があるため、取り引きには応じないようにしてください。
取り引きに法外な手数料がかかる場合も警戒
利用する際、必ず確認しておきたいのが手数料です。
ファクタリングは融資とは異なるため利息制限法の適用外となり、上限が設けられていません。
ですから、ファクタリング会社の中には、相場をはるかに超えた手数料を要求するところも少なからずあります。
ファクタリングに関する知識に乏しい利用者が付け込まれ、さらに苦しい状況に陥る可能性が大いにあるのです。
手数料の相場については、2社間ファクタリングで10%から20%程度、3社間ファクタリングでは1%から9%程度となっています。
高い手数料自体には違法性はないものの、悪質な業者との正当な取り引きは難しいと考えるべきでしょう。
法律上、売掛債権は有償無償にかかわらず譲渡可能なものされているため、その売買を行うファクタリングそのものは違法ではありません。
しかし、ファクタリング会社の中には、芳しくない資金状況の企業や個人に対して、本来は行うことができない貸金を持ち掛けたり、法外な手数料を払わせようとする悪質なところもあります。
トラブルを回避し、本来であれば便利で有用なファクタリングを賢く使っていくためにも、慎重かつ適切に取り引きをしていきましょう。